はじめに
高級キーボードとして圧倒的な人気を誇るHHKB。お値段は約3,7000円と正直訳が分からないくらい高額で、気軽に手を出すにはかなりハードルが高い製品でもあります。
また、ネットの情報を見ていると
配列が特殊で使いにくい
などの意見もあり、購入をためらってしまいがちです。
本投稿では、初めての10,000円を超えるキーボードとしてHHKBを購入し、4年間使い続けた筆者が、購入する前の印象と使用後の印象を比較しながら正直にレビューしていきたいと思います。
購入経緯
まず参考情報として、私が購入当時どのような環境で、どのような経緯でHHKBを購入するに至ったかを軽く述べておきたいと思います。
簡単にまとめると以下の通り
- 身分:学生
- 主な用途:論文執筆や資料作成。wordやexcel, power pointなどを主に使用
- キーボード購入経験:基本はノートPCのキーボードを使用していたが、5,000円程度のキーボードを購入して3年ほど使用
ちなみに使用していたのはLogicoolのマウス付き静音キーボードでした。
以上のような状況で次のような要求を満たす製品を探していたところ、HHKBに出会い、購入に至りました。
近くに試し打ちなどができる場所がなかったため、不安ではありましたがネットでぶっつけで購入ました。私が購入したのはHHKB Hybrid Type-S 墨篆刻ありを購入しました。
購入前の不安と実際
キーが少なすぎないか?
購入検討時に知ったのですが、キーボードにはキー数の種類があって、HHKBはその中でも60%と呼ばれる大きさです。
ちなみにアルファベット、数字、ファンクションキー、矢印キー、テンキーがすべてあるものがフルサイズ(100%)と呼ばれ最も大きく、60%ではアルファベット、数字キー以外の要素がなくなっています。
HHKBを購入する前は100%を使用していましたが、よくよく考えてみるとテンキーなどは全く使用していないし、なくてもいいんじゃないかなと思っていました。
一方で私が購入したUS配列では、テンキーやファンクションキー(F5などのキー)だけでなく矢印キーすらないため、実際に使ってみてキーが少なすぎて不便ではないかが心配でした。
実際に使用してみると以下のように感じました
ファンクションキーや矢印キーはFnキーを押しながら特定のキーを押すことで使用することがてきます。ファンクションキーは「Fn+数字キー」なので覚えるのも簡単です。また、矢印キーは写真に示した右側のFnキーを小指で押すとちょうど人差し指や中指で押しやすい位置に配置されているため、1日から数日で慣れるし、今ではキーボードを全く見ることなく使用することができています。
一方でスクリーンショットなどの特殊キーは使用頻度が多くないため現状でも全く覚えられていません。いまだにキーキャップの側面の印字を毎度確認しながら行っているため、そこは少し不便。ただ100%キーボード時代も結局それら特殊キーは毎度キーボードを見て押していたので不便さレベルはさほど変化がなく、使用上の問題は感じていません。
配列が特殊すぎないか?
HHKBは60%という少ないキー数を有効に使うため、さらにタイピングをより効率的に行うための合理化として配列が少し特殊になっています。もっとも大きな配列の違いとしては
という点です。
実際に使用すると下記のように感じました
Capslockキーは(特に日本人には)あまり使用する機会がなく、正直必要ないキーかなと思います。そんな使用頻度が少ないキーにもかかわらず、Shiftキーの真上という、めちゃくちゃ押しやすい位置にいるせいでために間違えて押してしまい、ちょっと厄介に思うことすらあるお邪魔なキーでした。
そんな絶妙な位置にいるお邪魔キーを、HHKBではCtrlキーに変えています。実際Ctrlキーはショートカットキーなどで多用するため、Capslockの位置にいるとあらふしぎ、いろんなショートカットが押しやすくなります。さらにCtrlキーは使用するときは基本的に長押しするため、仮にミスタイプで触ってしまっても特に何の問題もありません。個人的には、すべてのキーボードに対してCtrlをここに変更してほしいと思うほど素晴らしい配列だと感じました。
一方でこれは副次的なデメリットですが、HHKBの配列に慣れてしまうと、普通の配列のキーボードを触ったときにめちゃくちゃ使いづらく感じてしまうようになりました。
例えば他人のPCを使って作業するときや、共通のPCを使っての作業でショートカットキーを使用する際、かなりの確率で無意識的にCapslockを押してしまい大文字入力になったり、ショートカットキーがうまく押せていないなどの問題が多発します。なので自分の固定のPCがない方などは少し不便に感じてしまうかもしれません。
見た目がちょっとダサくないか?
HHKB Hybrid type-Sは乾電池を使用しており、そのせいでキーボードの奥側に乾電池を入れる分のスペースがでっぱってしまっています。
この部分が少しデザイン的にダサいかなと思っていました。
実際購入して手に取ってみると、正直ないほうがいいと思う一方で、実際にタイピングしているときは高さ的にほとんど見えないので、普段使っている分には全く気になりません。
ですが完璧な所有感を欲している人は、同じHHKBの最新作であるHHKB Studioの購入を検討してもよいかもしれません。
購入前の期待と実際
タイピングがしやすそう
HHKBを購入する際の一番の期待はタイピングのしやすさの向上でした。長い文章を長時間タイピングする際、方や手首などに変な力が入ってしまうと、疲労がたまりやすくなり、最悪腱鞘炎などになってしまいます。楽にタイピングができればその分集中力も持続しやすく、生産性を上げることができるのではないかと期待し、HHKBを購入するに至りました。
実際に使用すると次のような感じでした。
HHKBはキーが段ごとに傾斜がかかっていて少し斜めになっています。この斜め具合がとても絶妙でホームポジションから指を伸ばした際に自然と届くように設計されています。そのためどの段のキーも非常に押しやすく、不自然な力を入れることなく自然にタイピングできます。
また、奥側に折り畳み式の足がついているため、計三段階高さを調節できます。自身の手の大きさやタイピングの癖に合わせて調節することで、より正確で快適なタイピングができます。
一方でノートパソコンやMacのmagic keyboadなどに慣れていて、薄いキーボードが好きな方にはストロークが深すぎてうちにくいかもしれません。
加えて、前述しているように一部の特殊なキーは入力を暗記する必要があります。
手の移動が少なくなりそう
HHKBの購入に際して、一番大きな変化といえばやはりキーの数がかなり少ない60%キーボードであることでした。そのため見た目が非常にスリムで、横幅に無駄がないため、マウス操作などで不必要に手を動かす必要がなくなるという期待がありました。また、同時にトラックボールタイプのマウスを導入することで、タイピングとマウス操作での移動を少なくし、無駄のない入力環境を構築しました。
実際に使用すると下記のような感じでした。
購入前の目論見通り、HHKB+トラックボールの組み合わせは手の動きを最小化し、無駄のない入力環境を構築する点において非常に良い組み合わせでした。
同じようにできるだけ手の動きを小さくしたい方はトラックボールの購入も検討してみてはいかがでしょうか ?
タイピングが楽しそう、静音化できそう
HHKBは、「静電容量無接点方式」と呼ばれるキースイッチ方式を使っており、独特の打鍵感があります。言葉では伝えづらいのですが、「スコスコ」という感じの打鍵感です。
ちなみに同じ静電容量無接点方式のスイッチを体験したい方はセブンイレブンのATMのテンキーが同じ方式なので、気になる方はセブンイレブンへ体験しに行くとよいかと思います。
加えて、Type-Sではさらに静音化が施されているため、タイピング音が静かになっています。この静音化にも期待して、当時購入に踏み切りました。
実際に使用した感じは下記のような感じでした。
実際の打鍵感はなんだかぷりぷりしていて非常によく、その体験が「今日も何か書き物をしよう」というモチベーションにつながりました(私は)。
一方で、静音性という観点では、個人的には思ったよりも音が大きいなと思いました。この点に関しては、防音マットなどを使用すると少しは改善されるようですが、メンブレン式静音キーなどと比べると音が大きい、という印象です。
HHKBを購入する際のチェックポイント
以上を踏まえて、私なりにHHKBを購入検討されている方で、HHKBが向いているかの目安として、次のような項目を考えて検討してみてはいかがでしょうか?
最後に
いかがだったでしょうか?
HHKBは少し癖がありますが、多くの人々を魅了し続けている素晴らしいキーボードであることはまず間違いありません。私も購入してから持ち運びし愛用するほどお気に入りのプロダクトです。一方でやはり高価でもあるので、ぜひこの記事が参考になり、素敵な体験の一助になればと思います。
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